神戸元町の地元発祥ブランドsisiiのショールーム兼オフィスである。服を見に来る人、ミーティングをする人、働く人、という大きく3つの行動が入り交じる場所となる。その場を、分け隔てるのではなく高さの差などでゆるやかに分けたり、つなげたりしたいと考えた。空間をつなぐ役割をもっているのが大きな鉄板である。床から浮かした鉄板は、ショールーム、オフィスをつなぐ場となって広がる。剥がされた鉄板は一部が立ち上がってミーティングスペースとなり、オフィスでは大きなデスクとなっている。所々あいた穴からは樹木がはえ、自然が顔をだしている。この鉄板の下には六甲の自然が広がっている。今回は庭園デザイナーの荻野寿也氏とのコラボーレションプロジェクトであった。荻野氏は地元、六甲の自然の原風景をこの場所に再現するというコンセプトで室内に庭園を作っていった。既存ビルの柱梁の間の壁には鏡が所々に貼られ、空間が色々な方向に広がる。奥が見えない、突き当たりのない空間とするため、オフィス空間の奥の空間は緩やかなカーブを描いて続く曲がり道のように空間を増幅させた。植栽作業はこの鏡に映る全体像を確認しなが進められた。鏡に映った際のバランスを考え樹木が配置され、溶岩の築山が作られていった。  場所によって様々に役割を変えながら広がる1枚の板は、そのままニュートラルなプラットフォームとなり、共生している樹木の生命力に支えられた活き活きとした情報交換の場となる。