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大阪府大阪市鎗屋町にあるミシュラン二つ星レストランの改修計画である。夜営業のみ・1日1回転・最大10名という運営形態を前提に、1階をウェイティング、2階を客席、3階を客用トイレおよびBOHとする構成となっている。
1階では厨房以外のレイアウトを大きく変更し、吹き抜けを新たに設けた。大らかな曲面の壁がウェイティングスペースの奥へとゲストを導き、吹き抜け上部まで伸びる樹木が、視線と意識を身体より先に2階へと誘うことで、コース料理への期待感を高める。吹き抜けの壁面は、粒径の大きな骨材による左官仕上げから、上部に向かって徐々に粒度が細かくなる特殊塗装仕上げとし、遠近感を強調することで吹き抜けがより高く感じられる。
2階の客席ではゲストが他者の存在を気にすることなく一皿に没入できることと、シェフから料理の説明を受ける時間を大切にすることを重視した。大らかな曲線を描くパーテーションに囲われた4つのセミプライベートな客席を設け、パーテーションの開口部にシェフが現れて料理の説明を行うことを想定し、平面形状や高さについて細かな調整を重ねながら設計した。 パーテーションと壁の間には間接照明を設け、立った状態では空間全体を包み込むような光の演出を体感でき、着席すると料理に集中できる環境へと切り替わる。店のコンセプトである「季節と記憶の食卓」を体感してもらうため、料理に至るまでのシークエンスから空間を構想し、一皿と向き合うためのエスコートとなる空間を目指した。

Fujiya1935

Architecture

Date
2025.6
For
restaurant
At

大阪府、大阪市、鎗屋町

Size
133㎡
Status
Completed

Staff

Direction
永山祐子
松井陸
Build
北条工務店
Lighting Plan
大光電機
Planting Design
荻野景観設計
Client
Fujiya1935
Designer
永山祐子建築設計(基本設計以降デザイン監修)北条工務店(基本設計-施工監理)
Photo
Nobutada Omote
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